第9章 恐怖
「風呂出たぞ。お前も早く入ってこい。」
『っ、あ…はい!入ってきます!』
リビングに戻ってきた赤井さんは
半袖のTシャツにジャージを履いており
髪がまだ少し濡れている状態で色気が半端なくて…
一緒に過ごすようになってから毎日彼のこの姿を見ているのに、一向に慣れなくてとても見ていられない…
毎回逃げるようしてお風呂場に駆け込んでいる。
シャワーを被りながら呟く声はきっと赤井さんには聞こえない。
『なんなのあの色気…カッコ良すぎて直視できないよ…』
ため息をつきながら体を洗い、程よくお風呂に浸かってから脱衣所に出てルームウェアを着て髪を乾かしリビングに戻った。
最初の頃はスッピンを見られることに躊躇したけど
女性としてはどうかと思うかもしれないが
数日経てば気にならなくなってしまった。
赤井さんはリビングのソファーに背を預けタブレットを操作していたから、きっと仕事をしているんだろうな…
「美緒、俺はもう少し調べ物をするから
お前は先に休め。明日も仕事だろ?」
『はい…。じゃあそうしますね。
おやすみなさい。』
「おやすみ。」
私の家の寝室はリビングからは孤立している間取りで
扉を出て通路を少し歩いた先にある。
だから赤井さんが
いつもちゃんと寝てるかどうかは分からない。
赤井さんは私が朝起きるとすでに仕事に向かってしまっていないから…
ちなみに赤井さんには私の家の合鍵を渡してあるから
朝方に出て行ったとしてもちゃんと鍵はかかっている。