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《赤井夢》Happiness{R18}

第53章 詫言 ✴︎







ランチ用のカレーが完成したところで
私は帰宅しようと思ったんだけど
今日のポアロは多くのお客さんが来店し
すごく忙しそうで…そのまま手伝う流れになった。



洗い物をしていると聞こえてくるお客さんの声。


私の作ったカレーを美味しい、と褒めてくれるから、その喜びに浸っていると、1人の男性のお客さんから安室さんと恋人なのかと勘違いされて…


そして安室さんは、私の事を諦めていないなどと伝えてきた。


なんて言い返そうか困っていると
安室さんは榎本さんから伝えられたオーダーを作り始めていて、何も言えない雰囲気になってしまった。




どうしよう…


このまま何も返事をしないままでいいのかな…?



でも安室さんは私が赤井さんと付き合っているのを知ってるし、なんでそんな私に告白みたいなことをしたんだろう。





ひょっとして……揶揄ってるとか?






…ありえる。


この人すごく意地悪だし、
私の困った反応を見て楽しんでるのかも…


そう考えるとなんだかムカついてきた。



「すみません美緒さん、
そこのお皿取ってもらってもいいですか?」


安室さんが頼んできたのは
私がすでに洗い終えてタオルで拭き終わったカレーのお皿。



『…自分で取って下さい。
お客さんも大分減って来たので私はもう必要ないですよね?
そろそろ帰ります。』

「?美緒さん…?」



機嫌の悪い私を安室さんは不思議そうに見ていて
私は自分の鞄を取りにバックヤードへ向かった。


1人になったところで借りていたエプロンを外し
綺麗に畳んでから、カボチャカレーのレシピを細かく書き足し、机の上に置いたところで、安室さんが再び私の元へとやってきた。



「美緒さん、今日はありがとうございました。
沢山手伝ってもらってすみません。」


『…いえ、この間ご迷惑をかけたお詫びですので。
じゃあ私はこれで失礼します。』



鞄を持ってお店の裏口から出て行こうとしたら
安室さんは私の行く手を阻んできた。





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