第9章 恐怖
私のアパートに到着し、周りを見渡してもストーカーの気配はなかった。
そしていつもなら確認するポストの中…
赤井さんに差出人が書かれていない封筒を見られたら
絶対突っ込まれると思ったので今日はスルーした。
『少し散らかってますけど……どうぞ?』
「ああ。」
玄関の鍵を開けて、赤井さんを部屋のリビングに通しソファーに座ってもらった。
…私の家に赤井さんがいるなんて、なんか変な感じだなぁ。
私はソファーには座らず
カーペットが敷いてある床に座り赤井さんにお礼を伝えた。
『送って頂いてありがとうございました。』
「礼を言う必要はない。
…それより何があったのか話してくれ。」
『いえそんな…送ってもらっただけでもう十分ですので…』
「いいから話せ。…といっても大体想像がつくがな。」
『え!?』
想像つくって…なんで!?まだ何も話していないのに!
「俺が話しかけた時のお前の怯えた様子から察すると
誰かに付け狙われているんだろう?
以前会った時よりも隈が酷く顔色もかなり悪い。
ここまで歩いてくる時はビクビクしながら周りを見渡していたしな。」
『…。』
「それともう一つ。
家に着いた時、お前は自分の家のポストを確認せずに素通りしていただろう。明らかに見ないように目を背けていたところを踏まえて考えると…
ストーカーに悩まされているってところか?」
『…はい…その通りです。』
何もかも的中すぎて、最早誤魔化す気すら起きません!