第53章 詫言 ✴︎
「美緒さんって…
着痩せするタイプだったんですね?」
「!!殺されたいのか…?」
「ふっ、返り討ちにしてやりますよ、…では。」
最後の一言を聞かずに電話を切れば良かったと後悔していると、安室くんはすぐに電話を切っていた。
以前美緒から聞いた話では
雨でずぶ濡れになったあいつを安室くんが着替えさせたようだから…きっとその時、美緒の体を見て…
『あ、赤井さん…?どうしたの?』
怒りのあまりスマホをギリギリと握りしめていた俺のそばには、いつの間にか美緒がいて
不安げな表情で俺を見つめていた。
『安室さんに何か言われた…?』
「いや…何でもない。」
彼に言われたことなど言えるわけがない。
もし伝えたら美緒はきっと
俺に対して申し訳なさを感じ自分を責め続けるだろうから…
こいつにそんなことはして欲しくない…だが…
安室くんが美緒の体を見たんだと遠回しに伝えられて、冷静でいられるはずがない。
俺の中で激しい嫉妬心が湧き上がり
美緒の手を取って寝室に向かって歩き出した。
『!?ちょっと…!本当にどうしたの…!?』
「…。」
怒りのあまり美緒の声は俺の耳には入らなくて…
寝室に辿り着くと
俺は美緒をすぐにベットへと押し倒した。