第50章 同行
そもそもなんで赤井さんは
この屋敷に来たかったんだろう…
気になる所があるって言ってたけど
FBIの仕事と関係あるのかな…?
心の中で疑問に思いながら
高木刑事の後をついて行き、屋敷の庭を通り
現場である離れの建物に案内された。
ピリリーッ
『ん…?あ、電話だ…。』
「では私達は現場を見て来ますので
美緒さんはここで待ってて下さい。」
『あ、はい。わかりました。』
昴さんと阿笠さん、江戸川くんと高木刑事が離れの中に入るのを見届けてから電話に出た。
かけて来たのは私の友人からで
いつも通り明るく元気な声が聞こえて来た。
「あ、もしもし美緒ー?
この前悩んでた事、ちゃんと解決したー?」
どうやら私の事を心配してくれていたみたいで
わざわざ電話をかけてきてくれたようだ。
『うん!もう解決したよ!
あの時は話聞いてくれてありがとね?』
「いいのいいの〜!
それよりあんたの彼氏早く紹介してよー。
私ずーっと楽しみにして待ってるんだからさ?」
…そういえば昴さんのこと紹介するって言ったまま
話進めてなかったんだっけ……完全に忘れてたよ。
『実はね…昴さんにまだ話してないの…
仕事が忙しい人だから空いてる日程聞いてまた連絡するよ。』
「ふーん?やっぱりこの前聞いた昴さんって人が美緒の彼氏なのね。
分かった!じゃあ連絡待ってるからね!」
その後も他愛ない雑談をいくつか話し
数分経ってから電話を切り、そのタイミングで
離れの中からみんな揃って外に出て来た。
『あ、おかえりなさい。
ハサミの説明は済んだんですか?』
「ええ。ですがいくつか疑問に思う事がありましてね…」
簡単に話を聞いたところ、
まず被害者はこの屋敷の家主である
不動産会社社長の樋山さん、という男性で死因は撲殺。
第一発見者は仙波さんという
この近所で駄菓子屋を営んでいて
息子さん夫婦と被害者の樋山さんが
勝手に土地の売買の話をつけてしまい…
今日はここへ文句を言いに来て、被害者を発見したようだ。