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《赤井夢》Happiness{R18}

第46章 心痛




少しの間、沈黙が流れると
赤井さんは掴んでいた私の腕を離し、小さくため息をついた。



「お前が話したくないのなら…もう無理には聞かない。」

『…。』

「…今日は送ってやれないから、暗くなる前に帰れ。」




赤井さんはそう言い切ると
キッチンから出て行き、私は1人取り残された。


…本当に私は馬鹿だ。



自分の気持ちの整理がつかないからって
赤井さんに当たったりして……

赤井さんはただ、私のことを心配してくれていただけなのに…




私…最低だ…






『……ごめん、なさい…赤井さん…』




誰もいないキッチンでそう呟いた後
私はすぐに工藤邸を出て自分の家まで帰ってきた。








その日の夜は自己嫌悪から全く眠れず
一睡もできないまま朝を迎えた。





ーーー…





今日は日曜日ー…




いつも週末の休みは赤井さんと一緒に朝を迎えて
とても幸せな1日の始まりなのに…


特に何も予定がない私は
ベットの中でごろごろしながら何をして過ごそうか考えていると
枕元に置いていたスマホが鳴り、メールが届いたようだった。




……ひょっとして、赤井さんかな…?



少し期待をしながら画面を見ると
赤井さんではなく、私の友人、紗栄子からのメールだった。




【おはよー!今日暇ー?暇ならランチしよー】




先日一緒にランチビュッフェに行って以来
会ってなかった友人からの誘い……


家でじっとしてるのも嫌だから、私は行けることを伝えて
ベットから降り、身支度を整えた。


そして待ち合わせの時間通りに
ランチを食べる店に向かい紗栄子と合流すると、彼女は私の顔を見るなりギョッとしていた。




「ちょっと!何よその酷い顔!!なんかあったの!?」

『あー…えっと、実は昨日一睡もできなくて…』

「はぁ!?」


さすが高校からの付き合いなだけあって
私の顔色を見ただけで何かあったんだと悟った彼女は
話は店の中で聞く、と言い私の腕を掴んで店の中へと足を踏み入れた。



テーブル席に座り、注文を終えたところで
早速私への尋問が始まった。









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