第45章 久々 ✴︎
「美緒…?どうした?」
『赤井さん…私に怒ってるんですか…?』
「いや、怒ってないが…なぜそう思った?」
『だって……怒ってるから
キスもせずに寝ようとしてるんじゃないんですか…?』
久しぶりに会った赤井さんにもっと触れてほしい…
激しいキスがしたい…
赤井さんの身体に回している腕に
少し力を入れると、赤井さんから大きなため息が聞こえた。
『っ、ご、ごめんなさい変な事言って…』
慌ててパッと離れ、俯いたままでいると
赤井さんは私の方へ体を向けているようだった。
「いいのか…?」
『?何がですか…?』
「お前、明日から仕事だろう…
俺に付き合わせて抱いたりしたら…身体を辛くさせると思ったんだ。」
『え…?でも…今まで翌日仕事の時も何度か…』
「10日間も美緒に触れてなかったんだぞ?
全く手加減できる気がしないんだ。
一度でもキスしたら…きっと止められない…」
少し困った顔をしながらそう告げた赤井さんは
照れているのか私から視線を逸らしていた。
『私……身体が辛くなるより
赤井さんに触れてもらえない方が…嫌、です…』
「美緒…」
寝室のベット近くで立った状態のまま
私は自分の着ているルームウェアに手を掛けて脱ぎ出した。
恥ずかしいけど、赤井さんに早く抱いて欲しくて…
寝室には衣服を脱ぐ際に出る擦れた音だけが響いていた。
ブラとショーツだけの状態になり、今度は正面から赤井さんに抱きついて、彼の左胸に顔を寄せて心臓の鼓動の音に耳を傾けた。
『赤井さんの心臓…すごく早くて大きい音がしてます…』
「っ、お前…後悔するなよ…」
『えっ…、うわっ…!』
私の体は急に持ち上げられて
ベットに勢いよく押し倒された。
「そんな煽り方…一体どこで覚えてきた。」
『煽るなんて…そんなつもりは…』
私の上に跨っている赤井さんの瞳は
まるで猛獣が獲物を狙っているようで
必死に理性を繋ぎ止めているのが分かるもの。
「人がせっかく我慢しようとしていたのに…
責任は取ってもらうからな。」
『っ、あかいさ…っ、んんッ!?』
貪るように唇を塞がれて、口内には赤井さんの舌が侵入し
容赦なく私の舌を絡め取ってきた。