第41章 返礼
私と昴さんは一軒の洋食屋さんで軽くご飯を済ませ
その間にすっかり夜になったので
夜景を見に行くため、69階にある展望フロアへと向かった。
2階からエレベーターに乗り、
1分も経たないうちに到着し、エレベーターを降りると
目の前には美しいと思えるほどの横浜の綺麗な夜景が広がっていた。
『うわぁ…!素敵!
こんなに綺麗な夜景見たことないです!!』
宝石を散りばめたような綺麗な景色…
こんなに綺麗な夜景を赤井さんと眺められるなんて
今日ここに来て本当に良かった。
「せっかくなので座って見ましょうか…
あそこに空いている席がありますよ。」
昴さんが指を差した方を見ると
窓際に2人掛け用のソファー席があり
それはカップル専用のペアシートのようで、他の席に座っているカップルは肩を寄せ合いながら横浜の綺麗な夜景を一望していた。
たまたま空いていたソファーに座り
私は昴さんの方へと体を向けた。
『昴さん、今日はここに連れて来てくれて…
本当にありがとうございました。』
「お礼なんていりませんよ。
普段仕事が忙しくて、付き合い出してからだいぶ経つのに
今日までどこにも連れて行ってあげられなかったんですから…」
『そんなの気にしないで下さい!
私は…昴さんとなら家で過ごしたり、
一緒にご飯食べたりするだけで幸せです。』
今日みたいに丸一日2人で出掛けるデートができるなんて
全く思ってなかったから…
本当にいい思い出ができた。
「…あなたは私に甘すぎです。
もう少しわがままを言ってもいいんですよ?」
『えー?そうですか?
じゃあ今度は昴さんの行きたい所に連れて行って下さい。』
「それのどこが我儘なんですか…
私へのご褒美にしかならないですよ。」
『昴さんの行きたい所が私の行きたい所ってことですよ。』
でも赤井さんの行きたい所って全然想像つかないな…
FBI捜査官だから……射撃訓練場とか?
それはそれで見てるだけで楽しそう。