第41章 返礼
『そ、外でそんなことは言わないで下さい!』
「ふっ、美緒さん顔が真っ赤ですよ?」
『誰のせいだと思ってるんですか!!!』
喚く私を宥めるように、昴さんは私の手を取って
ギュッと繋ぎ歩き出した。
「そんなに怒らないで、
外で写真を撮ったらこの辺りを散策しましょう。」
…赤井さんって大人だ。
私が喜ぶことをいつもサラッとやってくるから
この人と一緒にいる時は何度胸が高鳴ったのか分からない。
赤井さんが好きって気持ちが溢れ出そうで…
握られている手に少し力を入れると、優しく微笑んでくれた。
そして私たちは倉庫を出た後
運河沿いにある広い遊歩道を散歩し、ロープウェイにも乗り景色を楽しんだ。
あっという間に時刻は昼。
私達の次の行き先は……
『うわーっ!
中華街なだけあって美味しそうな匂いがすごい!!』
「確かにそうですね。」
やってきたのは、横浜の観光名所の一つである中華街…
最大の魅力は広東、上海、四川、北京の本場四大中華が楽しめる事だ。
「どうします?お店に入って食べますか?」
『うーん…せっかく来たので色々食べたいです!
食べ歩きでもいいですか?』
「美緒さんならそう言うと思いましたよ。」
…食いしん坊ですみません。
でも色んな中華料理を味わいたいじゃないですか…
私たちは中華街に足を踏み入れて
まずは北京ダックを売っているお店にやってきた。
北京ダックと言っても大きな肉の塊を買うのではなく
ワンハンドサイズで提供されているもの。
昴さんと列に並び、2つ購入して
さっそく歩きながらパクッと口に運んだ。
『んーっ!美味しい!
お肉の弾力もいいし、薄皮で一緒に巻かれてる
きゅうりとネギのシャキシャキ感も最高です!』
「本当ですね。甘い味噌ダレが具材と美味しく調和されている…
これで一つ300円はかなりお値打ちです。」
2人で感想を言いながらあっという間に完食し
次のお店に向かった。