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《赤井夢》Happiness{R18}

第41章 返礼




「美緒さん、ありましたよ。」

『へ…?』



今私達がいるのはとあるお土産屋さん。
そこにはお菓子だけでなく、様々な調味料が売られている。




「ここでしか買えない横浜の旨辛オイル。
これが欲しくて行き先の候補に入れたんですよね?」


…さすが昴さん。
私の考えていることなんかお見通しだったみたい。





『実はこれ、通販でも販売されてなくて…
どんな料理にも合うって評判で使ってみたかったんです。』


昴さんに手渡されたオイルの瓶を眺めながら
ようやく手に入れた喜びに浸っていると、昴さんの笑い声が聞こえてきた。



「美緒さんは本当に料理が好きですね。
そのオイルを使った際は是非ご馳走になりたいです。」


『ふふっ、もちろんです!
じゃあ2個くらい買っておこうかな〜』


二つの瓶を抱えてレジに持って行き
支払いをしようとすると、私が財布を出している間に
昴さんが先にクレジットカードを店員さんに渡していた。



『ちょっと昴さん!私自分で買いますから!』

「デートで恋人に払わせるのは気が引けます。」

『なっ…!私が個人的に買いたい物ですよ!?』

「それでも、です。ほら、早く財布をしまって下さい?」


…やっぱり強引だこの人!
私の言うことなんて全然聞く耳持ってくれない!!



財布を片手に困っていると
昴さんは会計を終えて、二つの瓶が入った紙袋を店員さんから受け取っていた。



『あの…本当にありがとうございます。』

「いえ、気にしないで下さい。」

『袋は私が持ってもいいですか…?
昴さんに買ってもらった物だから…自分で持ちたいです。』

「っ…」


顔を見ながらそう告げると、昴さんはなぜか固まってしまい
不思議に思いながら返事を待っていると、私の耳元に口を寄せてきた。






「あまり可愛いことを言うな…
人目など気にせずにキスしたくなるだろう。」

『!?!?』



…パッと離れて顔を見ると意地悪く笑いながら
片目だけ赤井さんの翡翠色の瞳が見えていた。





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