第41章 返礼
『やっぱりご迷惑ですよね…?』
「そんなわけないだろう…嬉しいんだ。」
ギュッと抱き締める力が強くなって
赤井さんの腕の中でニヤついていると、急に体が浮き
抱っこされているようだった。
「先に寝室で待ってろ、出来るだけ早めに終わらせる。」
『優作さんの小説読みながら待ってます。』
2階の寝室の入り口まで運ばれると赤井さんは私を下ろし
今度は額にキスを落とした。
「お前も疲れているんだから限界だったら先に寝るんだぞ。」
『はい、お仕事頑張って下さい。』
微笑みながら私の頭をポンポンと数回叩くと
赤井さんは仕事部屋に向かって行き、姿が見えなくなるまで見送った後、私は叩かれた自分の頭に手を置いた。
『頭ポンポンの破壊力…やばいなぁ……』
それに微笑んだ顔もかっこ良すぎる…
普段よく見る赤井さんの顔は
真剣に仕事をしている姿が多いから、笑う顔は全然見慣れない。
ジョディさん曰く、
あんな顔をするのは私の前だけらしいから…
赤井さんの笑った顔を見ると、いつもその事を思い出して
幸せな気持ちになるんだ。
そんな幸せな余韻に浸りながら寝室に入り、
ベットの上に座って小説を読みながら赤井さんを待った。
…しかし1時間くらいで読み終えてしまい
動画でも見ようかとスマホを手に取ってネットの検索ページを開くと…
『初デートに…サプライズでプレゼント…?』
先程スマホでデートの行き先を調べていたから
自動的にそれに関連する記事がトップページに出てきたんだろう。
パッと目に止まったその記事をタップして読んでみると
"初デートは恋人になった彼との特別な記念日だから
プレゼントを渡して一生忘れられない思い出にしよう!"
…と書かれていた。
『そういえば……付き合う前の初めてのデートで
昴さんから時計もらったし…お返し出来てなかったな…』
すっかりその記事に触発された私は
メンズ用のアクセサリーを片っ端から調べ始めた。