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《赤井夢》Happiness{R18}

第39章 復仇




『赤井さん……心配かけてごめんなさい…。』


「…話は後だ。帰るぞ。」




手を繋いだまましばらく歩いていると
赤井さんの赤いスポーツカーが止まっている場所に着いていて
私は助手席に乗せられ車は発進した。



帰る、と言われたから
行き先は私の家か工藤邸かな…と思いながら車に乗っていると、車は工藤邸に到着していた。



赤井さんは無言のまま車を降りて
私も彼の後を追って玄関に向かい、屋敷の中に入った。



リビングに到着すると
赤井さんにソファーに座るように促され
言われた通りに大人しく座った。



「…美緒。」

『…はい。』

「俺は大体仕事を優先し、今回のように忙しくなると
お前に連絡することが出来ない日が何日も続くことは
これからもあるだろう。」

『はい…分かってます…。』

「いつも言っていると思うが、何かあった時は必ず連絡しろ。
俺に気を遣う必要はない。…いいな?」

『はい…約束します…。』




赤井さんがこんな風に私に厳しく言うのは初めてで
少し萎縮してしまった。


…でも赤井さんの言う事は正しい。




植木鉢が落ちてきた時や
車に轢かれそうになったことをちゃんと報告していれば、今回の出来事は起こらなかったはずだから…



自分が情けなくて俯いていると
私の腕に巻かれている包帯を赤井さんはソッと撫でてきた。



「これは…昨日歩道橋の階段から落ちた時の怪我か?」

『!!そう…ですけど…
なんでそれも知ってるんですか?』

「安室くんから電話をもらった時に聞いたんだ。」



赤井さんには言わないでって言ったのに…。



でもきっと安室さんは
私がポアロの帰りに、車で轢かれそうになったあの日から、ずっと私の事を気にしてくれていたんだろう…。




『黙っててごめんなさい…
私…赤井さんに心配かけたくないだけだったんですけど…
まさかこんな事になるなんて思わなくて……
本当に……ごめんなさい…。』



隣に座っている赤井さんに頭を下げると
私の体はギュッと強く抱き締められた。






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