第39章 復仇
『ソフィアさん…撃って下さい。』
「っ、え…」
「美緒!お前何を…!」
『私が死ぬことであなたの気分が晴れるなら…
本当に幸せになれるなら…撃って下さい?』
「あなた…死ぬのが怖くないの…?」
怖くないと言ったら嘘になる…
でも私は一度死んだ身だから
今は不思議と死への恐怖はそんなに感じなくて…
ソフィアさんになら殺されてもいいと思った。
『私は…自分が死ぬことよりも
あなたがそんなに辛そうな顔をしてる方が嫌です。
それに…
赤井さんを目の前で殺されるくらいなら自分が死んだ方がマシです。』
もう2度と…赤井さんを失う苦しみを味わいたくないから。
またあんなに悲しくて苦しい思いをするくらいなら…
ここで殺された方がよっぽどいい。
「っ、美緒…」
『赤井さん、私が死んでも彼女達を殺したらだめですよ?
復讐なんてしようしたら…あなたの事嫌いになりますからね!』
「…。」
赤井さんの方を見ながら伝えても何も答えてくれなくて…
再びソフィアさんに目を向けると…
『!?ソフィアさん…?』
彼女は綺麗な瞳から大粒の涙を流し
唇を噛み締めていて…手に持っていた銃を地面に落とした。
『え…え?ソフィアさん…?どうしたんですか?』
「っ、殺せない……殺せないです…!
引き金を引こうとしても…
私に優しくしてくれた時の…
あなたの笑顔ばっかり思い浮かんできて…
あなたを殺すなんて…無理ですよ…
私には……そんな事できない…っ…!!」
ソフィアさんは床に座り込み
手で顔を覆い隠しながら涙を流していて…
その様子を見ていると赤井さんは私の元に近づいてきて
地面に落ちた拳銃を拾ってから私の拘束を解き
スマホで電話をかけていた。
「キャメル、スチュアート兄妹は帝丹小学校の体育館だ。
すぐに来てくれ。」
どうやら赤井さんは本当に私を助けるために
たった1人でここに来てくれたようだった。