第39章 復仇
『ソフィアさん、私は今のあなたより…
子供達と楽しそうに遊んで笑っている顔の方が好きです。』
「っ…」
『そんな辛そうな顔…あなたには似合いません。』
「っ、黙れ!!ソフィア!揺らぐんじゃないぞ!?
俺達の目的を忘れるな!」
「うん…分かってる。」
男性は私のこめかみに拳銃を当ててきて
私はそれ以上口を開くことを許されなかった。
…そして、私達の間に沈黙が流れた後すぐに
体育館の扉が開く音がした。
「来たか…」
開いた扉の方へと目を向けると
素顔の赤井さんが1人で私達の方へと歩いてきた。
『っ、赤井さん…』
「美緒…怪我はないか?」
『はい…大丈夫です…。』
赤井さんは私の状態を確認した後
拳銃を持っている2人に視線を移した。
「やっぱり…生きてたんだな?」
「言われた通り1人で来た。…美緒を解放しろ。」
赤井さんは私の方へと一歩踏み出したけど
ソフィアさんに銃を向けられ、動かないように言われていた。
「素顔でここに来たってことは
私達の事も分かっているんでしょ?」
「兄のダニエル、妹のソフィア…
5年前に死んだイアン・スチュアートの子供だろう?」
「さすがシルバーブレット…こっちのことは調査済みか。
でも残念だな?この女は解放する気はない。」
「なんだと…?」
兄のダニエルさんの言葉を聞いて
赤井さんの声が格段に低くなった。
こんな風に敵を威嚇している赤井さんは……初めて見た。
「俺達はお前の大事なこの女を
お前の目の前で殺すって決めている。
それで父さんの復讐を終わらせるんだ。」
私のこめかみにグッと強く銃を突きつけたダニエルさん…
赤井さんの眉間には皺が寄り、ダニエルさんを睨みつけていた。
「お前の言う通り…美緒は俺の大事な女だ。
だから頼む…殺すのは俺だけにしてくれ。」
「それなら…2人仲良くあの世に送ってやるよ…
ソフィア。」
ダニエルさんの言葉を聞いて
ソフィアさんは赤井さんに近づき、私と同じように
こめかみに銃を突きつけられていた。