第39章 復仇
side 赤井
俺は今、FBIの仲間達数人と共に
米花町のとある宿泊施設にやって来たが…
「少し遅かったようですね…」
「ああ…だがこの近辺に潜んでいるのは確かだ。」
俺達が追っているのは
FBIの本部、アメリカのワシントンで
数ヶ月前からFBIの捜査官数人を殺した犯罪者。
現場に残された指紋を探し出し
犯人を特定することができたが…名前などが分かる頃には、奴らはすでにアメリカを出国して日本に来ている事が分かった。
だが指紋が見つかったのは1人だけで、犯人は二人組。
その外国人2人が宿泊している施設を調べるのに思ったより時間がかかり、残念ながらもうここから逃げた後で、捕えることは出来なかった。
「キャメル、俺は車でもう少しこの近辺を探してみる。
あとは頼んだぞ。」
「了解!」
駐車場に停めてある赤いマスタングに乗ると
上着にしまっていたスマホが振動し
それはFBI本部…情報課からのメールだった。
「…。やはり…狙いは俺か。」
殺害されたFBIの捜査官は
俺が以前ある事件に関わっていた時
一緒に活動していた仲間だったから…
メールにはその事件の捜査資料と
犯人達についての詳しい素性が書かれていた。
車のエンジンをかけて発進させようとしていると
再びスマホが振動し、今度はあのボウヤからの電話だった。
「どうした?ボウヤ。」
「急にごめんね。今ポアロにいるんだけど
安室さんが赤井さんに話があるみたいで……」
…安室くんが?
あの男が俺に話があるだなんて珍しいな…。
ボウヤに了承の返事をすると
電話口から彼の声が聞こえてきた。
「久しぶりだなFBI。単刀直入に聞くが
今お前達は何か追っているんだよな?」
「まぁ…詳しくは話せないがな。」
「……美緒さんが狙われてる。」
「っ、何…?どういうことだ…!」
安室くんの話を詳しく聞くと
先日美緒が車に轢かれそうになった事…
そして昨日は
歩道橋の階段から誰かに突き落とされて負傷したとのことだった。