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《赤井夢》Happiness{R18}

第39章 復仇




『ソフィアさん、お疲れ様でした。
じゃあ職員室に戻りましょうか?』

「若山先生…実はお話したい事があるんです。」

『…奇遇ですね?私もあなたと話したかったんです。』

「人に聞かれたくないので…音楽室で話しませんか?」

『いいですよ!…じゃあ行きましょうか。』




私達は2人で教室を出て音楽室に向かった。


いつもなら横並びで会話をしながら歩くのに
今日は私の一歩後ろを歩いているソフィアさん…


私達の間にこんな風に緊張感が漂うのは初めてで
互いに何も言葉を発さずにいると、音楽室に到着した。


念の為扉に鍵をかけ、誰も入ってこれないようにし
窓際に立って外を眺めているソフィアさんの背後から声を掛けた。



『ソフィアさん…私からお話ししてもいいですか?』

「…はい、どうぞ。」

『昨日の夜…どこで何していたの教えてもらえますか?』

「…。」




ソフィアさんからの返事はなかったけど
私は背を向けている彼女にそのまま話し続けた。




『実は私…腕を怪我したのは転んだんじゃなくて
歩道橋の階段から落ちたからなんです。
でも自分で落ちたんじゃなくて…誰かに突き落とされました。』

「…その犯人が、私だと?」

『違うならそう言って下さい、顔を見たわけではないので…
でも…甘い香りがしたんです。
あなたからいつも香る…香水の臭いが…』




私がそう話してもソフィアさんはずっと背を向けたままで
何も反応してくれなかった。

否定してくれれば謝る事が出来るのにそれすらさせて貰えない。




『どうして……あんな事をしたんですか?
私…あなたに何か嫌な思いをさせました?
もしそうなら…』


「若山先生は悪くないです。でも……」



ソフィアさんの後に続く言葉を待っていると
ようやく私の方へと体を向けてくれて少しずつ近づいて来た。




「あなたには……
あの男を誘き出すための餌になって貰います。」


『あの男…?それに餌、って………、っ!!』






ソフィアさんの言葉の意味が分からずにいると
急に体に電流のようなものが走り、私は床に倒れた。




彼女の手にはスタンガンのようなものが握られていて…私の意識はそのまま遠のいてしまった…。






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