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《赤井夢》Happiness{R18}

第6章 正体



side 赤井




ジョディから組織の仲間である水無怜奈に
誤って取り付けてしまった盗聴器のことを聞いた俺は
毛利探偵事務所に奴らが現れると踏んで先回りしていた。


予想通り、ぞろぞろとやってきた彼らを追い払い
発信器と盗聴器を破壊することにも成功した。




そして翌日、バイクで事故を起こした水無怜奈が入院している杯戸中央病院に向かった。


彼女は命に別状はないが、意識がまだ戻らない。


組織の奴らとの大事な糸……
切れないようにしなくてはな…。



「アナウンサーである彼女だが
突然消えたりしたからTV局が黙っていないだろうな…。」

「大丈夫ですよジェイムズ。あの子が上手くやってくれますから。」

そう話すジョディの視線先には
何度も見たことがある眼鏡のボウヤが立っていた。



「またあのボウヤか…何者なんだ?」

「探偵よ。私のお気に入りのね。」

見た目はただの小学生なのに探偵か…



…面白いボウヤだな、と思っていると
電話を終えたそのボウヤは俺達の元へと近づいてきた。


「あのさ…お願いがあるんだけど…
僕の学校の先生である若山 美緒って人を調べてくれない?」


「え…その人って、バスジャック事件の時にもいて
この前探偵事務所の入り口に立っていた女性よね?」

「うん。ひょっとしたら若山先生…
組織に関わっている人かもしれないんだ。」


……美緒が組織の人間?
ありえないだろ…。

あんなどこにでもいそうな平凡な女だぞ。
俺はなかなか信じられなかった。


「ボウヤ…彼女を疑うからには
それなりの理由があるんだろうな?」

「私も以前彼女に助けてもらったし
とても悪いことをする人間とは思えないんだがね…。」

ジェイムズの言うことは最もだ。
あの女は純粋すぎる。
以前少し話した時の事を思い返しても
とても裏があるような人間とは思えない。






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