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《赤井夢》Happiness{R18}

第6章 正体




何が何だか分からないままでいると
事務所の向かいのビルの屋上から
何かが手摺に当たるようなカンッという金属音が聞こえた。


屋上を見上げると複数の黒い服を着た人達がいて
あんな所で何してるんだろう…と思いながら見てると
その人達はすぐに見えなくなってしまい、
そのビルの近くから車が2台すごいスピードで走り去って行った。


「先生は一緒に逃げなくていいの?」

『え…?逃げるって…どういうこと…?』


江戸川くんの言っている意味がわからず首を傾げていると
私の質問に答えないまま、外国人の2人と一緒に再び車に乗り込んでどこかへ行ってしまった。





…。





『もうっ!ちゃんと説明して行ってよ!
残された私の気持ち考えてよ!意味がわかんないんだけど!?』



どこにぶつけたらいいのかわからない戸惑いを1人で叫んだ後
私はそのまま自分のアパートに向かって歩き出した。


家に着いてから何だかどっと疲れが襲ってきて
私はすぐソファーにドサっと横になった。


肉体的よりも精神的に疲れた私は
今日はもう絶対外に出ない!と決めてスマホの電源を切り
家に引きこもった。




そしてもう一つ…最悪なことを思い出してしまった。







 






『ヨーコちゃんのサイン…もらうの忘れた…』








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