第38章 危機
デートの約束をしたところで体を離すと
赤井さんの顔が徐々に近づいてきて、額から鼻先、
頬や瞼……顔中にキスをされ、最後は唇同士が優しく重なった。
「美緒…今日はありがとう、
お陰で仕事が頑張れそうだ。」
『ふふっ、良かったです。』
頬に添えられている赤井さんの手に
自分の手を重ねながら微笑んでいると
再び赤井さんからキスが降ってきた。
先ほどよりも少し……
いや、とても激しいキスだった。
『んんっ…!あかい、さ……3分っ…』
「まだ1分半残ってる。」
近くにある時計をチラッとみた赤井さんは
再び私の唇をキスで塞ぎ……熱い舌で口内を犯してきた。
『んっ……は…ぁ…』
「はぁ…やはりキスだけでは足りないな。」
…私はキスだけで充分満足です。
唇が離れると同時に
私はポスっと赤井さんの胸はもたれかかった。
赤井さんからの激しくて甘い情熱的なキスを受けて
体は熱ってしまい、力が入らなくなっちゃったから…
「美緒…また連絡する。」
『は、い…お仕事頑張って下さいね。』
少し落ち着いたところで、私は赤井さんから離れ
部屋の出口に向かって歩き出した。
部屋を出るとキャメルさんが待っていてくれて
赤井さんに挨拶をした後、ホテルの駐車場に向かった。
「今日は本当にご馳走様でした。
サンドイッチ、とても美味しかったです。」
『いえ、そんな…
わざわざ自宅まで迎えにきてもらって
帰りも送ってもらうんですから…お礼を言うのは私の方ですよ。』
「気にしないで下さい!
これからも困った事があればお力になりますので
遠慮なく言って下さいね。」
キャメルさんも本当に優しい人だなー…
ジョディさんもいつも優しくしてくれるし
赤井さんの同僚は素敵な人達ばかりだ。
『ありがとうございます!
じゃあ…赤井さんのことを見張っててもらえますか?』
「?見張るって…何をすればいいんです?」
『赤井さん、仕事が忙しくなると
いつも自分の事おそろかにしちゃうので…
ご飯はちゃんと食べて、睡眠も取るように、です。』
赤井さんは鍛えてるから大丈夫とか言ってるけど…
いつか倒れる日が来るんじゃないかと
私はいつもヒヤヒヤしているんだ。