第38章 危機
「お前ら…あまり美緒を困らせるな。
食い終わったなら仕事に戻れ。」
「ちぇっ、分かったよ…」
「美緒さん、ご馳走様!」
「また何か持ってきて下さいね!」
FBIの方々はニコニコしながら部屋を出て行き
赤井さんはそんな彼らを見ながらため息をついていた。
「……ここに美緒を呼んだのは失敗だったな。」
「まぁ、それだけ美緒さんの料理が美味しいってことですね。」
『??』
キャメルさんと赤井さんの会話の意味が
私にはよく分からなかったけど…
2人も部屋を出て行った捜査官の人達と同じように
お腹が満たされて満足しているようだった。
『じゃあお仕事の邪魔してはいけないので
私はそろそろ帰りますね。』
「…キャメル。
すまないが美緒に少し話がある。
部屋の外で3分待っててくれないか?」
『え?』
「分かりました!
ではその間にトイレに行ってきます。
美緒さん、帰りも自宅までお送りしますね!」
『あ…はい…ありがとうございます。』
キャメルさんにお礼を言うと彼は部屋を出て行き
私と赤井さんは2人きりになった。
『あの、赤井さん…お話って?』
「…特にない。」
『……はい?』
じゃあなんで話があるなんて言ったの…?
赤井さんが嘘をついた意味を考えていると
急に腕を引っ張られて私は赤井さんに抱き締められていた。
「お前と2人きりで……少しの間こうしたかったんだ。」
『っ…』
抱きしめながらそんな優しい声でそんな事を言われたら
帰りたくなくなっちゃうじゃないですか…。
『赤井さん…会いたかったです。』
「俺も美緒に会いたかった…
今追ってる件が片づいたらデートでもするか。」
『え!いいんですか!?』
「まぁ、沖矢 昴としてだがな。お前がそれでもよければ…」
『行きたいです!昴さんとでも嬉しいです!』
「ふっ…そうか。
行きたい所、考えておいてくれ。」
赤井さんと行きたいところ…
たくさんありすぎて選べない!!