第37章 見学

『おはようございます。』

「若山先生、おはようございます。」



学校に出勤し、職員室に入るとすでに数人の先生がいて
挨拶をしながら自分のデスクに向かった。


席について授業の準備をしていると
教頭先生が茶髪のロングヘアの女性と共に会議室から出てきた。

見たところその女性はアメリカ人のようで
ハニーブラウンの瞳が特徴的だった。




「えー、みなさん。こちらの女性ですが
今日からしばらくの間当校を見学されることになりました。
まぁ、教育実習みたいなものですね。」

「初めまして！ソフィア・スチュアートと申します！
私はいつか日本の小学校で子供達に英語を教えたいので
みなさんの授業の様子などを見学させて頂きます！
よろしくお願いします！」



見た目とは裏腹に
流暢な日本語で自己紹介をしたソフィアさん。

教員みんなで拍手をし、私たちも一人一人簡単な挨拶をした。




「ソフィアさんの指導係ですが、
若山先生にお願いしたいと思います、よろしいですか？」

『え？私でいいんですか…？』




まだ教師3年目で誰かに指導とかした事ないのに…



「若山先生は彼女と年も近いですし
確か英語も話せましたよね？
校長先生とも相談して適任だと思いましたので。」


『そういうことでしたら…精一杯やらせて頂きます！』

「あまり力まず気楽にやって下さいね？
授業だけではなく、
子供達と仲良くなれるように手伝ってあげて下さい。」


『はい！もちろんです！』



その後、今日の連絡事項をいくつか聞いてから
私とソフィアさんは一緒に教室へ向かった。