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《赤井夢》Happiness{R18}

第36章 補佐




「そういえば、あの嫉妬の塊の男が
よくポアロに来ることを許してくれましたね?」




嫉妬の塊って……もっと他の言い方は出来ないの?





『榎本さんもいるってここに来る前に連絡したら了承してくれました。
それと…この余った2種類のケーキ、
一切れずつ貰ってもいいですか?
あの人にも食べさせてあげたいんです。』

「…あの男にあげるくらいなら僕が全部食べます。」

『いやいや、胸焼けしちゃいますよ!?』

「…冗談ですよ。本当はすごく嫌ですが
美緒さんには手伝ってもらったので…
お皿に移しますから待ってて下さい。」




…とても冗談を言ってる顔には見えなかったけど。




安室さんがお皿にケーキを移し
ラップをしてくれているところで、榎本さんがお店に戻ってきた。




『じゃあ私そろそろ帰りますね!
榎本さん、安室さん、今日はありがとうございました。』

「いえ!こちらこそありがとうございました!
また来てくださいね!!」

「近くまで送りますよ。」




安室さんと2人でポアロを出ると
だいぶ日が暮れかかっていて、私達はアパートの方角へ向かって歩き出した。




「今日は僕も勉強になりました。
またお礼がしたいので、是非ポアロに来て下さい。」

『お礼なんていりませんよ…
…あ、もうこの辺りで大丈夫です。』




赤信号の横断歩道の前で止まり
ケーキの乗ったお皿を安室さんから受け取ると
ちょうど信号が青になった。




そして
安室さんに頭を下げてから彼に背を向けて歩き出すと…






「っ!美緒さん!危ない!!」


『え……?、うわっ!?』





安室さんの焦った声が聞こえて驚いて立ち止まると
後ろからグッと腕を引っ張られ
私が渡っていた横断歩道を一台の車がすごい勢いで左折してきて、そのまま走り去って行った。




「大丈夫ですか!?」

『は、はい…ありがとうございます…』



……あ、危なかった!
あのまま横断歩道渡ってたら確実に轢かれるところだったよ…


助かったのは良かったけど
先程まで手に持っていたお皿を落としてしまい
地面には割れたお皿と形の崩れたケーキが広がっていた。









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