第35章 水着 ✴︎
あんなに可愛くて濃艶な姿の美緒を見たら
数時間前まで一緒にいたにも関わらず会いたい気持ちを抑えられなくなった。
俺のこんな考えが同僚達にバレたら
さぞ呆れられるだろうな…と思いながら車を運転していると
美緒のアパートに到着し呼び鈴を鳴らした。
部屋の中から足音が聞こえ、
そのすぐ後に玄関の鍵が開いた音がして
俺はすぐに扉を開けて中に入った。
「っ、お前…なんて格好しているんだ…」
ただでさえ水着姿を見て気持ちが昂っているにも関わらず
今俺の目の前にいる美緒は
風呂上がりのようでバスタオルを巻いただけの状態。
この場ですぐにタオルを剥ぎ取って襲いたい衝動に駆られたが
沖矢昴の姿である俺はなんとか我慢して、美緒を寝室に連れ込みベットへ座らせた。
不思議そうな顔をしている美緒の前で
俺はスマホを取り出し、ボウヤが送ってきた画像を開き美緒に見せた。
「これは何だ。」
『え!?な、なんで!?いつの間にこんなの…!』
美緒の様子からして
水着写真を撮られたことに気づいていなかったようだ。
「お前今日はランチに行くって言っていただろう…
なのになぜ水着を着ているんだ?」
『私も知らなかったんですよ!
でも友達に強引にホテル内のプールへ連れて行かれて…』
「…この水着は?」
『友達が私の分まで用意してたんです…
っていうかその画像消して下さい!』
美緒は恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながら
ベットから立ち上がり、俺のスマホに手を伸ばしてきたが
それをサッと避けると、目を少し潤ませながら睨んでいた。
『なんで避けるんですか!』
「お前がこの画像を消そうとするからだろう。」
『っ、当たり前じゃないですか!』
「悪いがこれは永久保存させてもらう。」
『なっ!?お願いですからやめて下さい!!』
「だめだ、とても可愛くて似合ってるのに勿体無い。」
『〜〜っ!!!』
まぁ、悔しそうに俺を睨み続ける美緒の方が可愛いがな。