第34章 水泳
2人は水を抜かれたプールに飛び込み
排水溝付近を見ていて…
鑑識の人に怒られているにも関わらず
2人揃って不適な笑みを浮かべていた。
『…あれ……?』
その時の世良さんの横顔を見た時
誰かに似ているような…
見覚えのある人のような気がした。
ジッと彼女を見ていると
江戸川くんと高木刑事とコソコソ話をしていて…
話し終わると私達の元に近付いてきた。
『江戸川くん、高木刑事と何話してたの?』
「これから実験をするんだよ。
…犯人が使ったトリックをね。」
『え!?じゃあ…犯人が誰か分かったの!?』
「あぁ、これから高木刑事とボクと
コナン君の3人で準備してくるから…
目暮警部がトイレから戻ってきたらプールに来るように伝えてくれないか?もちろん、あの容疑者達も一緒にね?」
『あ…うん…分かった。』
江戸川くんと世良さんは再びプールの方へ戻って行き
なぜか大きな水槽のようなものを運んでいた。
やっぱり世良さんの顔……
絶対どこかで見たことがある気がする…
「若山先生?どうしたんですか?」
「世良ちゃんに何か用でもありました?」
『…ううん!何でもないよ。』
どこで見たのかまだ思い出せそうにないから
2人に何でもないと伝えていると
警部さんがトイレから戻ってきた。
「えー…では、お聞きした話をまとめると
被害者の永美さんが
プールで無くしたネックレスを1人で探すと言って
容疑者のあなた方3人をプールから追い出した後、
昼の12時5分頃、支配人のあなたは様子を見にきたところ
被害者に邪魔だと追い返されたんですね?」
「えぇ、そうです。」
「そして次に来たのが被害者の婚約者であるあなたで
その時プールに永美さんの姿は無く…
入れ違いに来た永美さんの妹にトイレと更衣室を調べるように言い、そこにもいないことを確認したのは1時近く。
その後に容疑者であるあなた方3人と
ホテルのボーイ2人で手分けして捜したが見つからず…
捜し終えた10分後に再びプールに戻ったボーイが
プールの中央に沈んでいる永美さんを発見した…
ということですね?」
警部さんの言葉にプールの出入り口を見渡せる場所にいた
受付嬢の2人は頷いていた。