第34章 水泳
何度か会ったことのある
捜査一課の目暮警部と高木刑事が
被害者の女性の知り合いである人達から順番に話を聞き終えたところ、事故死ではなく
他殺であることが分かったようだった。
「それにしても…
若山先生、あなたもよく事件に巻き込まれますねぇ…」
…好きで巻き込まれてるわけじゃないんです!
ここに来たのだって偶々だし
被害者の人とは知り合いでもなんでもないんだから…
「あの先生、一応お聞きしますが
被害者の死亡推定時刻である正午から午後1時の間はどこで何を?」
高木刑事にそう尋ねられ、
その時間はみんなとランチビュッフェに行っていたと伝え
そこから帰ろうとしたところで、あのお嬢様がいなくなった騒ぎを聞いて遺体を発見したと説明した。
警部さん達は、ボーイの人達とお嬢様を探していた支配人と
お嬢様の妹である女性…
そしてお嬢様の婚約者である男性の3人からも詳しく話を聞いていた。
「永美お嬢様が1人になってからのこの3人の行動を聞いてみた方がいいんじゃないか?
このプールにも探しに来たのなら
受付嬢の人が彼らが来た時間とか大体覚えているだろうし。」
「あ、あぁ…そうだな。」
目暮警部にそのように伝えた世良さんは
なんだかいつもの江戸川くんみたいに見えて…
『ねぇ蘭ちゃん、
世良さんってひょっとしてすごく頭いい子なの?』
「はい!女子高生探偵をしているので
事件に遭った時は犯人逮捕に協力してますよ!」
女子高生探偵!?
だから江戸川くんに似てるように見えたんだ…。
その後
受付嬢やボーイさんからも一通り話を聞き終えたところで
江戸川くんと世良さんは突然何かに気付いたようでプールの方へと走り出した。