第34章 水泳
「ええ!?永美お嬢様がいなくなった!?
プールでネックレス探してたんじゃないのか!?」
どうならお嬢様が行方不明になったらしく、
いつの間にかその人はプールから姿を消し
更衣室やトイレにもいなくて、自宅に帰った訳でもないようだった。
その話を支配人から聞いている時……
「お、おい!あれ人じゃないか!?」
「プールの真ん中に…沈んでる!!」
プールの方から大きな声を上げているボーイの声が聞こえてきて、彼らの声を聞くと世良さんと江戸川くんは走ってプールの方へと向かって行った。
私達も後を追ってプールに向かうと
プールの中央にダイビング用の酸素ボンベを背負った女性が1人沈んでいるのが見えた。
そしてその彼女の知り合いである1人の男性と
ホテルの支配人がプールに飛び込み
その女性を抱き上げプールサイドまで運んでいた。
「早く救急車と警察を呼んで!」
世良さんがボーイの人に頼んでいる最中、
支配人の人が女性の酸素ボンベを運んでいたら
プールの底に沈んでいたガラスの破片で足の裏を切り、怪我してしまったようだった。
『…江戸川くん、私あの人の手当てしてくるね。』
「分かった。先生、よろしくね。」
私は支配人の人の元へ向かい、
ボーイさんに救急箱を持ってきてもらって
警察と救急車が到着するまでの間にその人の手当てを行った。
『ガラスの破片は全部取り除きましたから…
あとはガーゼを当てて包帯で巻きますね。』
「ありがとうございます。
お客様に手当てをして頂くなんて…申し訳ありません。」
『いえいえ!気にしないで下さい!』
手当てを終えたところで
警察と救急隊の人がぞろぞろやってきて
現場検証や遺体の検死を行っていて、私もその様子を蘭ちゃん達と見ていた。