第34章 水泳
「ごめん美緒、また仕事行かなきゃ…。」
『デザイナーの卵は大変そうだね〜…』
この前アニマルショーを見に行った時も
彼女は仕事場から呼び出されていたし
デザイナーって本当に大変な職業なんだろうな…
「ほんとごめん!また連絡するから!」
『私の事は気にしなくていいから!頑張ってね!』
私の言葉を聞くと彼女は笑顔で手を振りながら去って行った。
大変なんだろうけど
彼女も私と一緒で仕事をするのはきっと好きなんだろうな。
「じゃあさっきの話の続きだけど
若山先生、ぶっちゃけ昴さんのこと好きなんですか!?」
『ええ!?』
園子ちゃん…なんでまたその話に戻るの!?
そのままスルーしてくれればよかったのに!
「ボクもあの昴さんって人がどんな人か気になってたし
是非聞かせて欲しいところだな。」
なんで気になるの!?なんか探られてるよ赤井さん!
「どうなんですか先生!
やっぱり昴さんに恋してるんですか!?」
『っ、えー…っと……それ、は…』
蘭ちゃんは身を乗り出しながら私に詰め寄ってきて
苦笑いしながら返事に困っていると
店員の人が私達の元に近付いてきた。
「お客様、申し訳ありませんがお席のお時間になりましたので
お会計の方をお願いできますでしょうか?」
『!?あ、はい!すぐ出ます!!』
いいタイミングで店員さんが声を掛けてきてくれて助かった!
残念そうな顔した女子高生達とコナン君と共にお店を出て
ホテルの出口に向かった。
「そういえばさっきのお嬢様、
ちゃんとネックレス見つけられたのかな?」
「さぁ?でももう見つかったならプールで遊べるかな?」
蘭ちゃんと園子ちゃんが話しているのを聞いていると
江戸川くんか後ろの方を気にしているようだった。
『江戸川くん?どうかしたの?』
「あ、うん…
さっきからホテルのボーイさん達が…
なんか慌ただしそうにしてるから…」
江戸川くんの視線の先を見ると
確かに複数のボーイさんはバタバタとしている様子が見られた。
「何かあったのかな?」
「とりあえずホテルのフロントの人に聞いてみるか。」
世良さんの一言で私達はフロントに向かったんだけど
そこには先程見たホテルの支配人がいて
その人に何かあったのか尋ねてみた。