第34章 水泳
「確かに昴さんも先生の水着見たら喜ぶかも!
ねぇ、コナン君もそう思うでしょ?」
「えっ?あ…うん、まぁ…」
蘭ちゃんに振られて苦笑いの江戸川くん。
彼は昴さんが赤井さんなのを知っているから
かなり反応に困っているようだった…。
赤井さんに私の水着姿なんて見せられないよ…
想像するだけで恥ずかしくて死んじゃう…!
「そろそろ世良ちゃんも来るよね?」
「楽しみだね、世良さんの水着!どんなの着るんだろ?」
『…世良さん、って?』
「このホテルで暮らしてる私達の同級生です。
もうすぐここに来ると思いますよ!」
高校生がホテル暮らしって…
何か訳ありなのかな…?
出費が凄そう…と考えていると
私達の元にボーダーのビキニを着た子が近づいて来た。
「お待たせみんな!
って、その女の人誰だ?知り合いか?」
その女の子は目をパチパチさせながら私を見ていて
癖のある黒髪ショートヘアでボーイッシュな容姿だった。
「この人は僕が通う帝丹小学校で先生やってるんだ!
蘭ねーちゃん達は何度か会った事あるけど
世良のねーちゃんは初めてだね。」
「へぇ…そうだったのか。」
『初めまして、若山 美緒です。よろしくね。』
「ボクは世良真純。よろしくな!」
うーん…一人称がボクだなんて…
きっと水着じゃなかったら
男の子に間違えちゃってたかもしれない。
『じゃあ私、ちょっと友達の所に行ってくるね。』
自己紹介を終えたところで、
私達が話している間に友人は泳ぎ疲れたのか
今はプールから上がって、プールサイドの椅子に座っていた。
「ちょっと全力で泳ぎ過ぎたー…」
『あはは、お疲れ様。』
椅子に座ったまま彼女と話をしていると
ホテルの支配人が客全員にプールから退去するようお願いをしていた。
「申し訳ありませんが、ご協力お願いします。」
お客さんにぺこぺこ頭を下げている支配人さんの姿を見たら
なんだかすごく可哀想に見えて…
私達は言われた通り大人しくプールを出て更衣室へと向かった。