第34章 水泳
「パットも無しで綺麗な谷間が出来てるし…
私が男だったらあんたの体に確実に惚れてる。」
『それは喜んでいいのか微妙だよ…』
「それよりせっかく来たんだし早くプール入ろ?
ランチの前にお腹空かせなきゃ!!」
…本当に自由だなこの子。昔からだけど。
『わかったよ…でも少しだけだからね?』
「分かってるって!!」
更衣室を出てプールに向かうと
そこはどうやらリニューアルしたばかりのようで
とても明るくて綺麗なプールだった。
『ホテルなだけあって家族連れが多いね。』
「確かに。
ここなら美緒がナンパされる心配もないでしょ?」
…私は別にそんな心配はしてなかったんだけど。
っていうか私がナンパなんかされるはずないじゃん。
友人の変な発言に呆れていると
彼女は「泳いでくる!」と言ってプールに向かって行った。
私も少し入ろうかなぁ、と考えているところで
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
「「あー!若山先生!」」
『え…?』
振り返るとそこには江戸川くんと蘭ちゃんと園子ちゃんが
私と同じように水着姿で立っていた。
『蘭ちゃん!園子ちゃんも!久しぶりだね!』
「若山先生もプールに泳ぎにきたの?」
『ううん…
私は元々ランチビュッフェに来るのが目的だったんだけど
プールは友人に付き合わされてね…。』
彼女は楽しそうにプールを泳いでいて
そんな様子を横目で見ていると女子高生2人組が興奮したように話し出した。
「若山先生の黒のビキニ、
すっごく似合ってて可愛いですね!」
『そう、かな…?ありがとう、蘭ちゃん…』
「それに胸も大きし?
こんなの昴さんが見たらメロメロになっちゃいそう!」
『!?』
園子ちゃんはまだ私と昴さんの関係を疑ってたの!?
まぁ間違いじゃないんだけどさ……