第34章 水泳
『うぅ…ご家族に会わせてもらえるの
楽しみにしています…。』
ギュッと赤井さんの首に手を回して抱き付くと
赤井さんの手が私の服の中に侵入してきた。
『っ、あ、あかいさん…?』
「なんだ。」
『ここじゃ…だめですよ…』
「少し触るだけだ。」
赤井さんの手は私の背中や脇腹を撫でていて…
その手つきはいつも私の体を抱く時を思い出させるような
やらしくて…焦ったいものだった。
『っ、くすぐったい…です…』
「お前の肌は触り心地がいいんだ。ずっと触っていたくなる。」
『ずっと触ってたら飽きちゃいますよ…』
「飽きるか馬鹿。そんなことありえない。」
即答してくれた赤井さんの言葉が嬉しくて
ギュッと抱き締める力を強くすると
赤井さんの体が少しだけピクッと揺れた。
「美緒…好きだ。」
『っ、私も…大好きです…。』
気持ちを伝えたらまたキスがしたくなって
赤井さんから身を離したんだけど…
ピリリリリッー
…ズボンのポケットにしまっていた私のスマホが振動し
慌てて赤井さんの上から降りた。
『ご、ごめんなさい…!あ…友達から電話です!』
「…あぁ。」
甘い雰囲気をぶち壊してしまった…。
スマホをマナーモードにしておけば良かったと後悔しながら
私は友達からの電話に出た。
『もしもし?』
「あ、美緒ー?急だけど明日暇ー?」
『明日?特に何も予定ないけど…』
今日の夜は赤井さんとこのままお泊まりの予定だけど
明日は赤井さん仕事だって言ってたから…。
「実はさ、知り合いにホテルのランチ券貰ったんだけど
期限が明日までなの。良かったら一緒に行かない?」
『うん!いいよ!
ホテルのランチなんて普段なかなか行けないからね!』
「良かった〜!じゃあまた明日ね!
待ち合わせの時間と場所はまた後でメールする!」
友達との電話を切り、赤井さんの方へ体を向けると
飲み終わったお酒のグラスを持ち椅子から立ち上がっていた。