第34章 水泳
『でもびっくりしました。
赤井さんに兄弟がいたなんて。』
「そういえば話した事なかったな…妹もいるぞ。」
『え!?そうなんですか!?』
太閤名人ってイケメンだって評判だし
きっと妹さんもめちゃくちゃ美人か可愛い人なのかも…。
赤井さんもすごくかっこいいから
赤井ファミリーは美形遺伝子なんだね。
「まぁ…妹は俺が死んだと思っているままだがな。」
『生きている事は伝えないんですか?』
「できるだけ俺の事で巻き込みたくないんだ…
あいつはまだ高校生だからな。」
高校生って……歳の差すごいですね…?
「弟にはいつかお前の事を紹介したいと思ってる…
俺の恋人だ、とな?」
『っ、嬉しいです…』
家族に紹介してもらえる事が分かっただけで
こんなにも嬉しい気持ちになるなんて…
赤井さんが私の事を
大切に思ってくれているのが伝わってきた。
それに赤井さんが自分の家族の事を話してくれるなんて
初めてだよね…?
私はまだこの人の知らない事がたくさんあるんだなぁ。
「…美緒、こっちに来い。」
『え…?こっちって…』
赤井さんは回転椅子に座っている自分の脚の上を
ぽんぽんと叩いていて…
隣に立っている私は赤井さんの言葉を理解すると
顔が一気に火照り出した。
『っ、だ、だめですよ!私重いですから!
2人で椅子座ったりしたら壊れちゃいます!』
「壊れるわけないだろう…第一お前のどこが重いんだ。
むしろ軽すぎるくらいなんだからもう少し太れ。」
『い、嫌です!太りたくありません!』
「…もういいから早く来い。」
『っ!?』
腕を引っ張られて
私は赤井さんの上に跨るように座らされた。