第6章 正体
「沖野ヨーコの4分クッキング!
今日のゲストは名探偵の毛利小五郎さんでしたー!
ではではまた来週〜!」
か、か、か、可愛い〜〜!!沖野ヨーコちゃん!
やっぱり生は最高に可愛いっ!!
私は現在テレビ局に来ていて、
ヨーコちゃんが出る生放送の見学をさせてもらっている。
少し前に彼女の歌を初めて聞いた時にファンになり
それ以来ずっとファンなんだ。
収録が終わり、CMに入ったところで江戸川くんに改めてお礼を言うことにした。
『江戸川くん、今日は誘ってくれてありがとね!』
「ううん。先生が沖野ヨーコさんのファンなの知ってたから喜ぶと思って…誘って良かったよ!」
『でも何で分かったの?私が彼女のファンだって。』
「先生の職員室の机に写真入ってるの見たことあったし
時々ヨーコさんの歌を口ずさんでるの聞いたことあったからね。」
…さすが高校生探偵。恐れ入りました。
見た目は小学生なのに、すごい観察力だなぁ。
「コナン君から若山先生の話は聞いてました。
私、毛利蘭です。」
…確かこの子って
工藤新一くんの幼馴染で2人は恋仲になったはずだよね…?
その話すら漫画で読んだこともアニメで見たこともない私だけど、ファンだった子に聞かされたのを覚えている。
『今日はご一緒させてもらっちゃってすみません。
まさかあの有名な毛利小五郎さんにも会える事ができるなんて…
一生分の運を使い果たした気分ですよ。』
「大袈裟だよ先生…。」
蘭ちゃんとコナン君と3人で笑い合ってると
ヨーコちゃんと毛利探偵も私達の元に近寄ってきて…
そのタイミングでコナン君の腹の虫が盛大に音を鳴らした。
「あはは、そういえば朝食まだだったわね。」
「よかったらTV局の食堂でご一緒します?」
「おっ、いいっすね!若山先生も一緒にどうですか?」
『!!私も一緒にいいんですか!?』
「もちろんです!
でも毛利さんに会わせたい人がいるので先に行っててもらえますか?」
ヨーコちゃんと朝ごはん…!!
なんて贅沢なの!最高すぎるっ!
ウキウキした気分のまま食堂に向かった私は
朝ごはんを食べながら、サイン貰えるかな〜?なんて
呑気なことを考えていた。