第31章 由縁
結局その後も赤井さんと一緒にいる間
私はずっと揶揄われ続けた。
赤井さんが嫉妬してくれるのは嬉しいけど
もう二度と彼の前でその事は喜んではいけない…
心の中で、こっそりとそう誓った。
(そういえば
阿笠博士の家に盗聴器を仕掛けるなんて
よく江戸川君が許してくれましたね?)
(まぁ…
この家の寝室以外にも盗聴器をつけるという
交換条件を飲んだからな。)
(こ、この家って…じゃあさっきの会話は…)
(…聞かれてるかもな?)
(…っ!!もう江戸川くんと顔合わせられないです……)
(心配するな。この前リビングでお前を抱いた時は
盗聴器はOFFにしておいたから。)
(ちょっ…!?
それも聞かれたらどうするんですか!!)
(別にいいだろう。)
(いいわけないじゃないですか!!)
後日…江戸川くんと会った時
さりげなく目を逸らされたから…
私と赤井さんの会話を聞いていたんだと
すぐに分かってしまった…。