第31章 由縁
「あのお姉さん、若山先生のこと
すっごく素敵な先生だって褒めてたよ!」
「"知り合ったばかりの私の事を
すごく心配してくれて嬉しかった"ってあのお姉さん言ってました!」
「先生は俺達の担任じゃねーけど
俺達もあの姉ちゃんと一緒で先生のこと大好きだからな!」
『っ…』
小嶋くんの言葉に
吉田さんと円谷くんも大きく頷いていて…
自分のクラスではない子供達にまで好きになってもらえて…
嬉しくてたまらなかった。
『ふふっ…ありがとう、みんな。
じゃあそろそろおやつの時間にしよっか!
今日は先生特製のシュークリームを作って持ってきたよ!』
「「「わーいっ!いただきまーす!!」」」
私の作ったおやつを美味しそうに頬張る子供達を眺めていると
ポケットに入れていたスマホが振動し
画面を見ると知らない番号からの電話だった。
「先生、電話?」
『うん…でも知らない番号だ…』
出ようかどうか迷ったけど
私はソファーから立ち上がり、子供達から少し離れた場所で電話に出た。
『もしもし…若山ですけど…』
「よかった、美緒さん電話に出てくれたんですね。」
この声は……金髪のイケメン不審者!
『安室さん…何で私の番号知ってるんですか…
教えた覚えないんですけど?』
「あなたの番号を調べるくらい
僕にとっては造作も無いことですよ。」
…この人は本当に警察官なのかな。
人の番号勝手に調べるなんて職権濫用もいいところだよ。