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《赤井夢》Happiness{R18}

第30章 救済




「一体…何が起きてるんですか…?」
「ここから離れた方がいいんじゃねーのか?」


『っ、それはだめ!
今ここから出る方が危ないから……ね?』



子供達に言い聞かせていると発砲音は止み
瓦礫の崩れる音が少し聞こえるけど
先程よりは静かになった事にホッとした。



外の様子を見ようと窓に目線を向けていると、
私が入ってきたゴンドラの天井が開き、そこから灰原さんが顔を覗かせた。



『え…灰原さん!?なんでここに!?』

「江戸川くんの追跡メガネを使ってここに来たの。
先生、みんなも…怪我はない?」

「お、おう!」
「ねぇ哀ちゃん…これって何があったの?」

「…後でちゃんと説明するから今は大人しくしてて?」



灰原さんが来たことで、子供達も少しは安心したようだ。
そして彼女はみんなに聞こえないように私に耳打ちをしてきた。





「キュラソーが組織から逃げ出したの。
私達を…助けたいって言ってたわ。」

『っ!!』



じゃあ…さっきの銃弾は…まさか彼女を狙って…?




『無事…だよね…?江戸川くんも…』

「分からないわ…。私達にはどうする事も出来ないし…
工藤くんを信じましょう。」




確かに灰原さんの言う事は分かる。

でもこんな攻撃をされると心配になるのは必然で…


あの女性だけじゃなくて
赤井さんも、安室さんも新一くんも…



誰かがさっきの銃撃の被害に遭ってたら…



みんなの事を信じたいのにそれ以上の不安が私を襲う。




怖くて…


怖くてたまらない…



みんなに気づかれないように
自分の手を強く握って落ち着こうとしていると
再び銃弾が放たれる音が聞こえてきた。



銃の振動がゴンドラにまで響き
揺れが治るのを祈っていると、急に外が明るくなり何かが爆発したようだった。


そのすぐ後に、大きくて綺麗な花火が夜空を照らし
空には真っ黒の飛行機のような機体が見えた。


その機体を見ていると、翼の部分から火が出て黒煙を纏い
不安定に飛んでいるようだったけど…


再び観覧車に向けて弾丸が放たれていた。






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