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《赤井夢》Happiness{R18}

第30章 救済




side 赤井


キュラソーが警察庁から盗んだデータが
ノックリスト…つまり世界中のスパイのリストだと分かり
俺は安室くんと水無怜奈が拉致された廃倉庫にやって来た。



2人はジンから銃を突きつけられ尋問されており
カウントダウンがゼロになる直前…

持っていたライフルで天井のライトを撃ち抜き
倉庫内は闇に包まれた。


そして安室くんが逃げたように偽装する為、
倉庫の扉を開け、俺を追いかけてくる敵を撒くことにも成功した。



車を停めていた場所まで戻り、ジェイムズに電話をかけた。



「私だ。」

「キールとバーボンは窮地を脱しました。
しかし奴らはキュラソーを奪還する為、東都水族館に向かってます。」

「そうか…。君はすぐそちらに向かってくれ。
水無怜奈の救出は我々が行う。」

「了解。」



電話を切った後、すぐに車のエンジンをかけ発進させた。



これからは何が起きるが分からないが……



あいつの為にもこの任務、必ず成功させて生きて帰る。





花が咲いたように笑う美緒の…

見てるだけでとても安心するあの笑顔を頭の中で思い出しながら
車のアクセルを強く踏み、スピードを上げて東都水族館に向かった。





ーーー…






東都水族館に到着し
観覧車内部の階段を登って頂上に辿り着くと
俺と同じように組織の奴らを迎え撃つために先回りしていた安室くんがいた。


「…どうやら上手く逃げ切ったようだな。」

「やはりあなたの仕業だったんですね…
きっとここに来ると踏んでましたが
聞かせてくれませんか?僕達を助けた了見を。」


「ふっ…わざわざこんなところにお喋りに来たのかな?」

「ええ、FBIに手を引けと言いに来たんですよ。
キュラソーは我々、公安が貰い受けるとね。」

「嫌だ…と言ったら?」

「力ずくで…奪うまでだ。」



安室くんはそう言い切ると、俺に向かって拳を振るってきた。



夜空に花火が上がる中、
俺達は観覧車の頂上で戦闘を始めた。



安室くんが「奪う。」と言った言葉が
キュラソーの事だけではなく…



美緒の事も指しているんじゃないかと…


俺にはそう思えてならなかった。











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