第28章 真相 ✴︎
「大丈夫だ。俺達は簡単にやられたりはしない。
だからお前は馬鹿みたいに笑って過ごしていればいいんだ。」
いや、馬鹿みたいって……
そんな能天気に過ごして良いの?
まぁ、どっちみち私には何も出来ないんだけどさ。
「疲れた時には美味い飯を作ってくれ。
俺はそれだけで頑張れる。」
『…ふふっ、わかりました。
元気になってもらえるようなご馳走作りますね!』
笑顔を向けてそう言うと
赤井さんもフッと笑いながら私の頭を撫でてくれた。
「私とキャメルも時々ご馳走になってもいいかしら?」
『もちろんです!!喜んで作りますから
いつでも言って下さいね!』
話が終わったところでコーヒーを飲み終え
ジョディさんとキャメルさんは仕事に戻ると言い、椅子から立ち上がった。
「そういえば、美緒はどうしてこの家にいるの?」
『組織の人に狙われないように、念の為ここに避難してるんです。』
「へぇ!じゃあ期間限定の同棲ですね!」
………同棲!?
『ちがっ…!
キャメルさん違いますよ!私はただの居候で…!』
「違うのか?俺は同棲だと思っていたが」
『へっ!?』
パッと赤井さんの方を振り向くと
至って真剣な顔でそう言っていて…
『っ、そ、そんな…人様の家で同棲なんて…』
「あははっ!美緒顔が真っ赤よ?
あなたそういうところが本当に可愛いのよね〜」
『もう!ジョディさん!揶揄わないで下さい!』
そんなやり取りをしながら2人を見送り
私はキッチンで先程みんなが飲み終えたコーヒーカップを洗っていると、赤井さんが私の後ろに立ち、ギュッと抱きしめてきた。