第28章 真相 ✴︎
「ああ。
今朝キール…水無怜奈からメールが届いた。」
「ええっ!?」
「じゃあ…赤井さんが生きてるって事は
奴らはバレていないようですね!!」
「多分な。」
朝って事は…起きた時にスマホを眺めてたのは
水無さんから来たメールを見てたんだ…。
「まぁ、メールといってもアルファベット3文字だけだがな。」
「?何かの略語ですか?」
「いや…お前らもよく知ってる酒の名前…
"RUM"(ラム)…奴らのコードネームだ。」
ラム…
甘い香りが特徴の蒸留酒で、カクテルやお菓子作りにも使われるお酒だけど…
「俺が組織にいた頃、二、三度耳にしたが…
どうやら奴らのボスの側近らしい。
美緒…お前はこのコードネームに聞き覚えはあるか?」
『いえ…ごめんなさい、聞いたことないです。』
「!!ちょっと待って!なんで美緒に聞くのよ!
組織のこと…何か知ってるの!?」
「美緒は組織の存在を俺と出会う前から知っててな…
ただ知っている事といえば奴らのコードネームが酒であることくらいだ。」
…そういえばジョディさん達には
私が転生したことは話していないんだった。
「ジョディとキャメルには
これからも時々美緒のことを気にかけてやって欲しいんだ。
俺はあまり人目につくわけにはいかないからな。」
「確かに…
組織のコードネームが酒である事を知ってるだけでも
奴らの暗殺対象には充分なり得ますからね。」
やっぱりその組織って
かなり怖い人達の集まりだったんだ…
赤井さん達はそんな人達を相手にいつも戦ってるんだね…
「美緒!そんな不安そうな顔しないで!
私達がついてるから大丈夫よ!」
…どうやら私はまた顔に出ていたみたい。
『私のことより…皆さんの方が心配です。
そんな危険な人達を相手にして
もし何かあったらって思うと…怖くて…』
自分の腕をギュッと掴みながら俯くと
私の頭の上に赤井さんの手が優しく置かれた。