第28章 真相 ✴︎
「しかし驚きました…
まさかジェイムズさんも赤井さんが生きてる事を知っていたなんて…」
「本当よ…。
私たちにも話してくれたって良かったのに…」
「前にも言っただろ?敵を騙すにはまず味方から。
現に奴らは、お前達に探りを入れてきたじゃないか。
生きている事を話していたら、俺に変装したあの男に会った時にバレていたよ。」
あぁ…
あの火傷の痕を顔につけた安室さんが変装した赤井さんか。
「後々の事を考えると奴は敵に回したくなかったんでね…
あの男なら1人で会いに来ると踏んでたんだが
まさかボウヤの言う通り、本当の仲間を連れて踏み込んでくるとはな。」
『それって…
この前安室さんがここに来た時のことですか?』
「ああ。
ボウヤのお陰でこちらの真意を奴に伝えられたし
俺の居場所もうまく誤魔化せたがな。」
やっぱり江戸川くんってすごい……
それに赤井さんも…この2人が揃うと敵なしなんじゃない…?
「だが、
俺に対する奴の恨みは思った以上に根深いようだ…」
「え…?恨みって何のことです?」
大柄の男性がそう尋ねると
赤井さんは少し困った顔をしていた。
『あの…立ち話も何ですから座って話しませんか?
コーヒー入れますから。』
「…そうだな。」
私達がダイニングの方へ移動しようとしたら
江戸川くんは隣の阿笠博士の家に探偵団のみんなが来ているから、と言って工藤邸を出て行った。
キッチンに入りコーヒーを入れようとすると
大柄の男性が一緒に入ってきた。
「美緒さん、手伝います。」
『ありがとうございます!
じゃあ…あそこの棚からコーヒーカップを取ってもらってもいいですか?』
私の身長では届かない棚なので助かった。
そしてそこには赤井さんがよく飲んでるウイスキーのボトルも置かれている。
「あれ…?ないじゃないですか、スコッチ…
赤井さんウイスキー党でバーボンと同じくらい
スコッチも好きだったんじゃ…?」
「最近は、バーボン一筋でね。」
『…でもちょっと減るの早いです。
飲み過ぎには気をつけて下さいね?』
「ふっ、分かってる。」
本当に分かってるのかなこの人は……
寝酒は睡眠の質を悪くするからあまり良くないのに。