第28章 真相 ✴︎
「本当にシュウなの…?」
「とても信じられませんね…」
ですよね…
私もずっと別人だと思ってたし。
「声は元のままだろう?
だが、首に付けたこのチョーカー型変声機を使えば…」
赤井さんは手を首元に伸ばし
ピッとチョーカーのボタンを押していた。
「…沖矢昴になれる。」
「!?こ、声が変わった…!!」
「ちょっと待って…
美緒は自分でシュウであることに気付いたって聞いたけど…こんなにも別人なのになんで気付いたの?」
『えっと…
わたしはお二人より昴さんと会う機会が多かったですし
よく見ると仕草とか、あとは口癖とか…
最初は似てるなって思ってただけだったんですけどね?』
私の説明にジョディさん達は納得してくれて
今度は有希子さんとどういう関係なのかを尋ねていた。
「僕の遠い親戚なんだ。
赤井さんは目立たないアパートに住むって言ってたんだけど、偶然そのアパートが火事になっちゃって。」
『それで
今は誰も住んでいないこの家に住んだらどうかって
江戸川君が赤井さんに勧めたんですよ。』
「でも…息子さんの工藤新一くん
今は何かの事件で家を空けているようですけど
知らない男が住んでたら驚かれるんじゃ…?」
ジョディさんの言う事はもっともだ。
……でもさすがに江戸川くんが新一くんとは言えない。
「ま、まぁ…息子には事情を話してありますから!
ねぇ、新……コナン君?」
「う、うん!」
『…。』
今…有希子さん普通に新一くんの名前言おうとしてたよね…?
江戸川くんもすごく苦笑いしてるし…
「それより有希子さん、そろそろ家を出ないと
帰りの飛行機の時間が…」
「うそ…!大変!もうこんな時間っ!」
慌てる有希子さんを見送りに全員で玄関に向かった。
有希子さんは優作さんと共にロサンゼルスに戻るそうで
また何かあった時に日本に帰国すると言っていた。
今まで何度か帰国していたのは
赤井さんの変装術をチェックするためだったらしい。
「じゃあね、美緒ちゃん。
また帰ってきた時にはたくさんお話ししましょ!」
『はい!ロスまでお気をつけて!』
私にウインクをして有希子さんが出ていくと
強面の大柄男性が口を開いた。