第28章 真相 ✴︎
赤井さんは夕食後も仕事があるそうで
その日の夜は私は赤井さんより先に床についた。
そして翌日…
ベットで目を覚ますと
赤井さんは私の隣にいたけどすでに起きていて
右手を頭の後ろに回して左手でスマホを持ち、画面をジッと眺めていた。
『…もう起きてたんですね。ちゃんと寝ました?』
「あぁ、少しな。」
たぶん本当に少しだけなんだろう…
目の下のクマが残ったままだし。
…でもこの人のクマがない時なんてない。
「美緒、今日は久しぶりにジョディに会えるぞ。」
『え…!?本当ですか!?』
「少し話があるからこの家に呼んだんだ。
たぶん昼過ぎには来る。」
『やったぁ!!
じゃあジョディさんが来る前にお菓子作ってきますね!!』
ウキウキしながらベットから立ち上がり
すぐに隣の部屋で着替えを終えてキッチンに向かった。
ジョディさんには何度も何度も励ましてもらったのに
最近は赤井さんが生きていることを黙っているのが申し訳なくて、会わないように避けていたから…
そのお詫びも兼ねて、私はお菓子作りに取り掛かかった。
もちろん朝だから
朝ごはんの支度も同時進行で行った。
ーーー…
ピンポーン
インターホンが鳴り
私はすぐに玄関まで出迎えに行った。
ガチャっと扉を開けると
ジョディさんと大柄で強面の男性が立っていて2人を中へ招き入れた。
「美緒!久しぶりね!」
『ジョディさん!会いたかったです!』
久しぶりに会うジョディさんと玄関でハグをしてから
2人をリビングに通した。
赤井さんは今、別室で昴さんに変装中だ。
『ジョディさん…
赤井さんのこと、黙っててすみませんでした。』
頭を下げて謝ると
彼女はすぐに私の肩を掴み体を起こした。
「謝らなくていいから!
シュウに黙っているように言われてたんでしょ?
私は別に怒ってないから大丈夫。」
…ジョディさんって本当にいい人だ。
少しくらい怒ってくれてもいいのに
私に優しい笑顔を向けてくれている…
彼女の心の広さと優しさを痛感していると
昴さんに変装した赤井さんと一緒に有希子さんと江戸川くんがリビングへ入ってきた。