第28章 真相 ✴︎
優作さんを玄関で見送り、リビングまで戻ったところで
赤井さんに手招きをされ一緒にソファーへ腰掛けた。
「優作さんと昨日バーボンが来た時の映像を見ていたんだ。」
『赤井さんが死んだように見せかけたトリック
全部見抜いていましたね。』
「あの男は相当頭がキレるからな。」
赤井さんがここまで言うって事は
本当にすごい人なんだな、安室さんって。
『昨日、
この屋敷の周りにたくさん人がいたみたいですけど
それって組織の人達だったんですか?』
「いや…彼らは安室くんの部下達だ、公安警察のな。」
『公安って…あの人警察官だったんですか!?』
嘘でしょ!?あの不審者が!?
ポアロの店員さんで、組織のメンバーの1人で
毛利探偵の助手で、私立探偵の仕事してて
公安警察って…
一体どれがあの人の本当の顔なの…?
「お前が元いた世界で、彼は公安と明かされていなかったのか?」
『うーん…。っ、あ!
言われてみれば何かの映画のポスターで見たような…』
映画は毎年やってるって聞いた事があったし
きっと安室さんが出てる映画があったんだろう。
…って事はやっぱりあの人は悪い人じゃなかったって事だね。
心の中で納得していると
横に座っていた赤井さんに肩を抱かれグッと引き寄せられると
私の体は抱き締められていた。
『?赤井さん?』
「帰り際に安室くんが言っていた事も聞いたぞ。」
『っ、え…!?』
そう言われてまた嫉妬しているであろう赤井さんから離れようとしたけど、すごい力で抱き締められているからそれは叶わなかった。
「離れるな。」
『だ、だって…』
「2人きりになったし…今朝の続きといこうか。」
『!?!?』
反論しようとしたら私は赤井さんの肩に担がれて
階段を上り寝室に向かっているのが分かった。
『赤井さんっ!まだお昼前ですよ!?』
「だから何だ。」
『っ、し、仕事しなくていいんですか!?』
「後でやる。今はお前を可愛がる方が先だ。」
いやいや!普通逆じゃないですか!?
この人の優先順位どうなってんの!?