第28章 真相 ✴︎
「色々と突っ込みたい事てんこ盛りなんだけど…
まずはあいつら!!一体何だったの!?」
「立場は違うが、本質は俺達と同じ…
奴らに噛みつこうとしている狼達だよ。」
とにかく…ジョディとキャメルか無事で良かった。
たぶん美緒もボウヤから話を聞いて
心配しているだろうからな。
今朝工藤邸を出る時に俺を見送ってくれたあいつの顔…
無理矢理笑顔を作っていて
明らかに不安そうで無理をしているのが伝わって来た。
早く帰って…安心させてやりたい。
「美緒はシュウが生きてること…知ってたの?」
「ああ、少し前からな。
俺が美緒にお前達には黙っておくように言ってたんだ。
だからあいつを責めるような事はしないでくれ。」
…黙ってるのが心苦しいから
美緒はジョディと会うのも、連絡を取るのも控えてるって言っていたしな。
「あの…赤井さん…
美緒さんとはその…お付き合いを…?」
「まぁな。」
「いや、まぁなって!!
シュウ!あなたが死んだって聞いた時
美緒がどれだけ悲しんでたか分かってるの!?」
「…。」
そうだった……
美緒から聞いた話では
ジョディは美緒の事をずっと慰めてくれていたんだったな。
「…2人とも、すまなかったな。」
「いえ、そんな!
元々は自分が組織の奴らに
楠田の事を話してしまったのが原因なので…!」
「私達より美緒に謝りなさい!
あんないい子…シュウには勿体無いわよ!」
…ジョディはかなりご立腹のようで
しばらくの間、ネチネチと文句を言われ続けた。
「ジョディ…
美緒が優しい女だって事はお前も知っているだろ…
あいつは俺の謝罪など聞いてはくれないんだ…
そろそろ勘弁してくれないか?」
「…ま、いいわ。
さっき電話で美緒には手を出すなーとか言ってたし
シュウがあの子にベタ惚れなのはよーく分かったから。」
「…自分でも驚くほど、俺はあいつに惚れてる。」
「ふふっ、やっと素直になったのね?」
…もう二度と美緒と離れたくないからな。
詳しい話は後日することにして
俺は適当なところで車を降り、駐車場に停めてあった車で
工藤邸へと帰って来た。