第27章 緋色 ✴︎
「なに…!?赤井が拳銃を発砲…!?
それで、追跡は!?」
安室さんの慌てた声を聞いて、また少し不安になる。
赤井さんが狙撃の名手だって事は聞いていたけど…
実際に銃を撃った事を聞いてしまうと
激しい銃撃戦に巻き込まれでもしているんじゃないかと心配になった。
モニター越しに安室さんの様子を見ていると
彼は電話で声を荒げており
赤井さんを取り逃すな、と指示を出していた。
…安室さんはどうしてそんなに赤井さんの事を憎んでいるんだろう。
私は…赤井さんの良いところしか知らないから
なんであの人があんなに敵対視されているのか分からなかった。
きっと…私の知らない赤井さんの過去に
何か2人をそこまで因縁づける理由があるのだろう…
赤井さんは…いつか私にも話してくれるのかな…?
そう思っていると、安室さんは電話を切り
優作さんに勘違いをしてすみません、と謝り
帰ります、と言って玄関に向かって歩き出した。
「あ…帰る前に一つだけ聞いてもいいですか?」
「何でしょう…?」
「知り合いの子供達から聞いたのですが…
あなたは美緒さんの事をどう思っているんですか?」
…安室さん……!
優作さんに何を聞いているの!?
いやいや、安室さんは昴さんに聞いているつもりなんだろうけど!
すると優作さんは2度咳払いをしていた。
…それは答えにくい質問された時
マスクに内蔵された変声機を通して
江戸川くんに代わりに話してくれと言う合図。
江戸川くんは困った顔をしながら
蝶ネクタイ型の変声機を口元に当て、
机の上に置いてある小型マイクへ向かって話し出した。