第27章 緋色 ✴︎
車が停まってから昴さんに降りるように言われ
2人で工藤邸の中へと入った。
…でも今日はなぜか裏口からで、
昴さんはすごく警戒しながら周りを見渡していた。
工藤邸のリビングに入ると
江戸川くんと工藤夫妻が揃ってソファーに座っていて
私と変装を解いた赤井さんも同じようにソファーへ腰掛けた。
「美緒…
今日はこの家から出ないでくれないか?」
『それは別に構いませんけど…
理由を聞いてもいいですか?
あ、もちろん話せたらでいいですよ!』
赤井さんは普段から組織の事とか
FBIの仕事の事は全く何も話さないから…
まぁそれは私に心配かけないようにしてくれている
この人なりの優しさだと思うし、私も自分から聞く事はあまりしていない。
「お前はいつも遠慮しすぎだ、
聞きたい事があるなら素直にそう言えばいい。」
そう言いながら私の頭を優しく一撫でした赤井さん。
そんな私達の様子を見ていた工藤一家は…
「おやおや、FBIの捜査官ともあろう赤井くんが
こんなにも美緒さんにメロメロとは。」
「んもー!2人って本当にラブラブなんだから〜!」
「そういうのは出来たら2人の時にして欲しいけどね…」
……は、恥ずかしい!!
しかも優作さんの言葉に赤井さんは何も否定しないし
顔色も変えないし……!
1人で恥ずかしがっていると
江戸川くんが小さなため息をついた後、私に話しかけてきた。
「若山先生、昨日僕達より先に病院を出たでしょ?
病院の外でジョディ先生に会ったんだよね?」
『あ、うん…
それを知ってるって事は
ジョディさんに送ったメール見たんだよね?』
昨日の夜、彼女へ送ったメールには
病院の外で会った時に急にいなくなったなったから
大丈夫でしたか?って内容を送っていたんだ。
「先生が帰る時に会ったそのジョディ先生は…
組織の人間の1人なんだ。」
『え……えぇ!?
でもジョディさんにそっくりだったよ!?
声も一緒だったし!!』
「奴のコードネームはベルモット。
変装の達人で、人の声帯も模写できる厄介な女幹部だ。」
その組織って、そんなすごい人がいるんだ…。
恐ろしい…。