第27章 緋色 ✴︎
自分の家に帰宅してからジョディさんにメールを送り
赤井さんにも同じような内容でメールを送った。
仕事は無事に終わったけど、
なんか色んなことがあって疲れたな…。
それに安室さんが言ってた事……
(「僕の事…どう思っていますか?」)
(「あなたの事が…気になります。」)
…。
『気になるって……どう言う意味……?』
本当にあの人は何を考えてるのか全然分からない…
赤井さんに相談した方がいいのかな…?
…いやいや、赤井さん忙しいし
安室さんの意味不明な事を話したら悩ませてしまうかもしれない。
とりあえず今日のことはおいおい話す事に決めて
私は寝る準備をしてからベットに横になった。
ーーー…
ピンポーン
翌朝ー…
気持ち良く眠っていたのに
聞こえて来たインターホンの音で目を覚ましてしまった私。
時間を確認すると時刻はまだ6時で…
『せっかく休みの日なのに……
こんな朝早くから誰…?』
ぼーっとした頭で寝室を出て
玄関に向かう途中でまたインターホンの音が鳴った。
一体誰だと思って玄関の覗き穴から確認すると
そこには昴さんに変装した状態の赤井さんが立っていた。
『っ、なんで…!?』
昴さんの状態で赤井さんが私のアパートに来るのは初めてで…
彼を見て目が覚めた私は
戸惑いながら玄関の鍵を開け扉をあけると、昴さんはスッと中に入って来た。
「朝早くから悪い。」
『いえ…でも、急にどうしたんですか?』
赤井さんにそう尋ねると
彼は私の頭に手を置き、真剣な表情で口を開いた。
「1週間ほどの荷物を纏めろ。理由は後で説明する。」
『へ?』
いきなり来て何を言っているんだろう、と思ったけど…
あまりにも真剣だったから黙って従うことにした。
寝室に戻り着替えをして、適当な服と下着の替えをいくつか入れ
玄関で待っている赤井さんの元へ向かった。
『お待たせしました。』
「ああ…行くぞ。」
手に持っていた鞄を赤井さんが持ってくれて
そのまま肩を抱かれてアパートを出てからいつもの赤いスバル車に乗った。
なんとなくは分かっていたけど
車が到着した場所は工藤邸だった。