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《赤井夢》Happiness{R18}

第27章 緋色 ✴︎



side 安室




ストーカー被害の依頼を受けた女性が入院している
杯戸中央病院に車で訪れた僕は
FBIのキャメル捜査官を足止めし、ある情報を手に入れる為に1人の男について尋ねた。


もちろん彼は口を噤み、喋ろうとはしなかったので
僕は深く追求せず車に戻って病院を出た。



そして
しばらく病院の周りを車で適当に走らせていると
組織の人間であるコードネーム"ベルモット"から連絡が入り
彼女が待つ場所へと迎えに行った。



歩道で待っていたベルモットは
FBIのジョディ捜査官に変装した姿だった。




「どうしたんですか?
落ち合う場所はここではなかったのに。」

「ちょっと…懐かしい人と会っちゃってね。」




そう話した彼女は頭の中でその人物を思い浮かべているのか
とても穏やかに笑っていた。




「…それで?何か分かりましたか?」

「あなたが調べていた楠田って男…拳銃自殺したそうよ。
キャメル捜査官がポロッと話してくれたわ。」

「ふっ…やはりそうでしたか。」





これで最後のピースは揃った…
やはり僕の推理は正しかったようだ。





「で?なんなのよ楠田って男は。
組織の一員だったらしいけど、コードネームも与えられていない男が拳銃自殺したからって何だって言うの?」

「いましたよね…?
楠田っていう男の消息が途絶えた頃、
同じように頭を打たれて焼かれた男が…」


「!!ちょっと…それってまさか…!」

「そう…FBI捜査官、赤井秀一。」





僕の推理通りなら、奴はきっと生きている。


だがベルモットは、その推理は的外れだと言って
信じようとはせず、茶番に付き合わされて少しイラついているようだった。





「あの男の死亡を確認したのは日本警察で
FBIの仲間も確認していたのよ?生きてるなんてあり得ないわ。」


「まぁ、証明してみせますよ。
ぐうの音も出ない状況に追い込んでやりますから。」




そう話した僕の事をベルモットは呆れて見ていたが
僕にまた別の質問を投げかけて来た。


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