第27章 緋色 ✴︎
翌日ー…
「「「先生、さよーならー!」」」
『はーい、さようなら。また来週学校でね!』
1年C組の生徒達に挨拶をして見送った後
私は職員室に戻り、自分の鞄を手に取った。
『教頭先生、今から杯戸小学校に行ってきます。』
「あぁ、勉強会の会場の下見でしたよね?
急ぎの仕事が無ければ、そのまま定時で帰宅して下さいね。」
『はい!ありがとうございます。』
教頭先生に頭を下げてから学校を出て
近くのバス停からバスに乗り杯戸小学校へと向かった。
バスを降りてから数分歩き、杯戸小学校に到着すると
駐車場にはなぜかパトカーが止まっていた。
『?何かあったのかな…?』
少し不安になりながら
職員玄関入り口から校内に入り
窓口にいた教員に名前を名乗ると通してくれた。
そして下見に来た事を他の先生方にも報告するため職員室に向かった。
…しかし職員室前の廊下には
多くの教員達が集まっていて、職員室の中の様子を伺っているようだった。
『あのー…帝丹小学校から来た若山ですけど…
何かあったんですか…?』
教員達に声を掛けながら私も職員室を覗いたんだけど…
『え…!?ジョディさんと江戸川くん!?
何でここに!?』
…あとは名前を忘れてしまったけど
以前会った事がある大柄で強面のFBI捜査官の男性もいて、私に気付いた彼らも
同じように驚いているようだった。
「美緒!あなたこそなんでここに?」
「ジョディさん、お知り合いですか?」
「僕が通う帝丹小学校の先生なんだ。
若山先生、この人は警視庁の目暮警部だよ!」
『あ、どうも…若山 美緒です。』
「失礼ですが若山さん、
あなたは今日なぜこの学校に来たんですか?」
目暮警部という男性にそう尋ねられたので
勉強会の下見に来た事を話した。
そしてジョディさんに
この学校の教員である澁谷先生が
昨夜何者かに襲われ、意識不明の重体で発見された事を教えてもらった。