第27章 緋色 ✴︎
赤井さんが嫉妬深い、と発覚した日から数週間…
私はいつもと変わらない平凡な毎日を過ごしていた。
でも最近は少しだけ忙しくて
遅くまで残業をする日が続いている。
もうすぐ他の小学校教員との合同勉強会があって
その準備担当役の1人になった私は
参加する教員を確認する役割を請け負っている。
『えーっと…
あと確認していないのは…杯戸小学校か。』
時刻を確認すると今は19時半を回ったところで
まだ誰か学校にいる時間だろうと思い、私は電話をかけた。
「お待たせしました、杯戸小学校の澁谷てす。」
『遅くに申し訳ありません。
私、帝丹小学校の若山と申します。
今度の合同勉強会に出席される参加者人数をお伺いしたくてお電話しました。』
澁谷先生はこれまでにも何回か会ったことがある人。
彼女も勉強会に参加する予定の人で他にも参加する人数と教員の名前を教えてもらった。
『今回の勉強会は、杯戸小学校の会議室で行う予定なので
明日の午後にテーブルや椅子の数の確認に伺いたいのですが…』
「ええ、構いませんよ。お待ちしております。」
『ありがとうございます。それでは、失礼します。』
電話を切り
今日やるべき事をすべて終えた私は帰り支度を済ませ、
学校を出て自分の家に帰宅した。
次の日が仕事の時は赤井さんに会う事はほぼ無い。
アパートで1人
自分の作ったご飯を食べていると思い浮かぶのは赤井さんのことで……
『早く会いたいなぁ…』
時々電話をすることはあるけど、
最近は忙しいみたいで連絡がないから少し寂しい…。
わがままを言って困らせたくないし
週末には会えるからそれまでの辛抱だ。
明日も仕事があるので
ささっと食事とお風呂を済ませ
あまり遅くならないうちに床に就いた。