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《赤井夢》Happiness{R18}

第26章 授業




「美緒さんの分のケーキも持って来ましたよ。」

『え、いいんですか…?』

「もちろんです。僕が考案したケーキなので
是非美緒さんにも食べてもらって感想を聞きたいです。」



出されたものはシフォンケーキで
トロッとした生クリームが添えられていた。

子供達は何度も美味しいと言いながらパクパク食べていて
私も手を合わせてからケーキを口に運んだ。




『っ、美味しいですね!
このシフォンケーキ、米粉で作られてるからすごくしっとりしてる。』

「!!よく分かりましたね。」




本来シフォンケーキは小麦粉で作るのが主流だけど
小麦アレルギーの人は食べられないし
米粉で作った方がカロリーも抑えられる…

きっとこれはそんな方を対象にしたケーキなんだろう。



「以前、小麦アレルギーのお客さんがいらしたんです。
まさかこんな簡単に見破られるとは思いませんでした。」

『えっと…
私は食べた事があったから分かっただけですよ?』




…前世でも時々米粉を使ったお菓子作ってたからね。






「もっと何かアドバイスいただけませんか?
近々商品化する予定なんです。」

『そうですね…
米粉のシフォンケーキには普通の砂糖よりも
きび砂糖の方が相性がいいです。
もっとカロリーを抑えるには豆乳を使うのもおすすめです。』


「なるほど…勉強になります!
良かったらこれからも時々ここに来て教えてもらえませんか?」


『ええ、いいですけ…「…。」ど…』





そのまま流れで引き受けようとしていたら
正面に座っていた江戸川くんが私をじーっと見つめていた。


…その視線からは、敵かもしれない男の頼みを
何で引き受けようとしているんだということが読み取れた。





『えーっと……じ、時間がある時にまた来ますね…?
仕事が忙しくて無理かもしれないので…あはは…』

「では、気長に待ってますね。」



苦笑いで安室さんと話していると
江戸川くんは小さくため息をついているようだった。



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